訪問介護の職員の仕事は、利用者の自宅に訪れて清掃をしたり、衣類を洗濯したりと、食事作りをして提供したりと、生活サポートが中心になります。利用者の数は一人ですが、すべて介護士一人で行うため、介護施設の職員より業務の種類は多く、責任も大きいです。介護施設のように、自身以外の職員に気軽に相談したり頼ったりできる環境ではないため、どんな業務も一人で柔軟にこなせるスキルが求められます。

その際、注意しておきたいのが、必要以上のサービスを提供しないことです。訪問介護の現場では、サービス精神で過剰に利用者の要望を聞いてしまうケースや、利用者に頼まれて断れずになんでもやってしまうケースが少なくありません。サービスといえど、きちんと事業所のルールがあり、他の職員のためにもサービスを統一する必要があります。どこまで対応可能なのかをきちんと把握した上で、適切な訪問ケアを行うことが大事です。

加えて、医療行為との境目もきちんと把握しておきましょう。爪に病気がある場合の爪切りや、口腔に重度の症状が出ている方の口腔ケアは医療従事者の判断が必須となるため、安易にやらないようにしましょう。

また、利用者の自宅というプライベートな空間で利用者と接する訪問介護の仕事は、介護施設より気を遣う場面が多く、相手の気持ちを察する能力が欠かせません。各家庭ごとの暮らしのルールがあるため、きちんと配慮することが求められます。予め、やってはいけないこと、立ち入ってほしくない場所などがないかを確認して、失礼のない立ち振る舞いをするようにしましょう。