訪問介護では、介護士が利用者の自宅に直接出向き、身の周りの介助をします。その際、自分一人で介助を行うスキルは、研修を受けて経験を積むことで身につけることが可能です。とはいえ、訪問介護は利用者のプライベートスペースでケアを行うため、高齢者本人やご家族の協力が無ければスムーズに仕事を進めることはできません。

利用者とご家族に「この人になら任せられる」と信頼してもらうことができれば、介護士自身も働きやすくなります。そんな信頼関係を築くためには、相手を安心させるコミュニケーションを意識する必要があります。

上手くコミュニケーションを取るためには、相手の話をよく聞き、共感の気持ちを表すことが必須です。さらに介護の現場では、その気持ちを全身で伝える技術が求められます。なぜなら認知症を患っている高齢者の場合は、病気が進行すればするほど言葉を使えなくなってしまうからです。それだけでなく、身体が弱っている高齢者の場合も、あまり言葉を発さないケースがあります。そのため非言語的なコミュニケーションを積極的に取り入れることが重要になります。

具体的には、身振り手振りといったジェスチャー、そして握手などのスキンシップ、話しかけるときの笑顔が挙げられます。親近感を持ってもらうために相手に近づいてコミュニケーションを取ることや、腰をかがめて目の高さを合わせるアイコンタクトも意識しましょう。相手を大切に思う気持ちを、言葉以外の方法で示すことは、敬意であり思いやりでもあります。

その他、訪問介護をする上で忘れてはならないのが、道具の備えです。利用者の自宅は、介護施設のように介助がしやすい環境とは限りません。家庭それぞれで環境が違っており、介助におけるリスクが高い場所もあります。それを踏まえ、利用者を介助する際の安全性を高めるグッズを持参することが重要です。負担やリスクを軽減するために、訪問現場で役立つ便利グッズを調べて揃えて、活用するようにしましょう。